おしぼりうどん作り

,はじめに
 豆腐作りに続き、何か地域の食材を利用して伝統的な料理を作ろうということになった。そして、色々と検討した結課、ゼミで作っていたねずみ大根を、利用して「地域の人たちと共に、「おしぼりうどん」を作ることとなった。        
 うどんを作るにあたり豆腐の件でお世話になった、峰村さんを講師としてお招きし、峰村さんご指導の下、手打ちうどんを体験した。

 
,「おしぼりうどん」とは?
 「おしぼりうどん」とは坂城町から千曲市にかけて300年以上も前から伝わる食べ物である。坂城地域の特産物である「ねずみ大根」のおろしを、布巾で絞った汁に味噌で味付けし、薬味にかつお節ときざみネギを加えて、釜揚げや冷やしうどんを食べる、伝統的ではなはだローカル色の強い食べ物である。
 どんな味かというと、非常に辛みが強く、その中にほどよい旨味、甘味、香りがある。この「おしぼりうどん」を提供している店は、長野市から上田市にかけて、30軒近くある。しかし、地元の方でも意外と食べたことのない方は多いそうだ。

 
,おしぼりうどんの由来
江戸時代前期末に「蕎麦切り」が庶民の間で流行り、全国で麺類を辛い大根汁で食す習慣が広がったのである。昔は上等のだし昆布や鰹節もなかったし、ましてや化学調味料も無かったので、麺の付け汁には大根の、しかも辛味の強い大根の「絞り汁」に醤油や味噌で味付けしたものが最高とされていた。そこで蕎麦の名所では、漬け汁に最適の辛味大根が産するところとさえ、伝えられてきたそうだ。
 ではなぜこの地域では蕎麦ではなく、うどんなのであろうか。その理由は次のようなものである。海抜が低く肥沃な土地を持つ千曲川流域では「蕎麦を作るにはもったいない」と麦が二毛作で栽培されてきた。そのため、この地域では蕎麦ではなく、うどんを食べるという習慣が伝えられてきたのである。
 これらのことから、この地域ではうどんを大根の絞り汁で食べるという習慣が根づ
いたと考えられる。

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おしぼりうどんの作り方
 材料:地粉1人250g・小麦粉(打ち粉)・水110g・味噌(特に吟醸味噌がお奨め)・かつお節・ネギ・ねずみ大根(坂城町中之条の扇状地態で栽培された「ねずみ大根」は特においしいとされています。)       
 用意するもの:棒、板、ラップ、鍋、ボウル、ザル、計量カップ 
 

(1)地粉に徐々に水を加えながら混ぜる。そして水を加えたら、体重をかけ軟らかくなるまで生地をこねる。


(2)   2から3時間ラップをかけて寝せる。

(3)適当な量の生地に小麦粉をまぶして生地を棒で伸ばす。そして、生地を180度回転させて同じように伸ばす。
 

(4)   直径40〜50cmまで伸ばしたら、棒に巻きつけ更にまんべんなく伸ばす。

(5)小麦粉をまぶし、伸ばした生地を4分の1におる。そして好みの幅で生地を切る。

(6)切ったら折り目を開らく。すると麺になる。

(7)麺を沸騰したお湯の中に入れる。そしてくっつかないようにほぐしながら、5分位  

ゆでる。

(8)うどんが湯で上がる3分から5分前に、ねずみ大根を、皮ごとジューサーでおろし、   

そして、葱をみじん切りにします。(大根は細かくおろすほど辛味をまします。)

(9)ゆであがったら、水を入れたボウルに麺を入れて冷やす。そしてザルなどに移す。
 


(10)おろした大根をガーゼなどの布巾で絞り、その絞り汁をお椀に人数分取り分ける。
  
(11)絞り汁に味噌をスプーン山盛り一杯程度加え、ネギや鰹節を薬味として添える。

(12)うどんを釜揚げ、もしくは冷やし、大根の絞り汁に漬け、薬味と一緒にいただく。 

(辛味を抑えたいときは味噌を多めに加える。)



,感想
 今回おしぼりうどんを作るということで、手打ちからうどん作りをおこなったが、正直初めは「本当にうまく作れるのだろうか」と思っていた。しかし、本番をむかえると、うどん打ちの作業がとても楽しくそんな不安はすぐに忘れてしまった。
 そして肝心のうどん作りはどうだったかというと、うどん打ちの作業は実際やってみると、とても難しく講師である峰村さんの手つきと比べると自分はまるで様になっていなかった。その後、上で挙げたような様々な作業を経て、「おしぼりうどん」が完成した。そして完成したうどんを食べてみると、麺にはとてもこしがあり、汁も程よい辛さと甘さを兼ね備え、予想していたよりも数段美味しくいただけた。また今回うどん作りに来ていただいた方々にも非常に好評で、この企画を行って本当によかったと思った。